コンテンツ運用の仕組み化

BtoBマーケター8割が生成AI導入、4割が「毎日活用」——シフトの中身をどう仕組み化するか

|DIGITAL MARKETING Group
BtoBマーケター8割が生成AI導入、4割が「毎日活用」——シフトの中身をどう仕組み化するか

BtoBマーケティングの現場で、生成AIの位置づけが変わりつつあります。国内のBtoBマーケティング支援企業が共同で実施した実態調査では、BtoBマーケターの8割が生成AIをすでに導入し、そのうち4割が「毎日活用」していると報告されています。単発の実験的な利用から、日々の業務に組み込まれた常用ツールへ——この移行が進んでいることがうかがえます。

「導入している」から「毎日使っている」への距離

導入率8割という数字だけを見ると、生成AIはすでに広く浸透したように映ります。しかし同じ調査では、毎日活用しているマーケターは全体の4割にとどまるとも報告されています。つまり、ツールを試したことがある層と、業務プロセスに組み込んで使いこなしている層のあいだには、まだ距離があるということです。

この距離を生んでいる要因として指摘されているのが、知識やスキルの不足です。調査では過半数のマーケターがこの点を課題として挙げており、生成AIをどう使うかを知っている人と知らない人のあいだで、成果に差が生まれる「活用格差」が広がる可能性も指摘されています。ツールの有無ではなく、使いこなす体制の有無が分かれ目になりつつあるということです。

定型業務から戦略・企画業務へのシフトの中身

もう一つ注目したいのが、生成AIの活用が進むにつれて、マーケターが担う業務の重心が変化しているという点です。下書きの作成、要約、情報整理といった定型的な作業をAIが巻き取ることで、担当者はより上位の判断——コンテンツ戦略の設計や企画の意思決定——に時間を割けるようになる、という構造です。

これは、生成AIの導入がもたらす変化の実態を捉えるうえで重要な視点です。以前の記事「生成AIの導入率は高いのに、成果実感が伴わない——B2Bコンテンツマーケの「使っている」の中身を問い直す」でも触れたとおり、「使っている」という状態には幅があります。定型業務の代替にとどまる使い方と、業務プロセスそのものを再設計する使い方とでは、得られる成果が大きく異なります。

個人の習熟に頼らない仕組みが問われる

知識・スキル不足が活用の壁になっているという調査結果は、生成AI活用を個人の努力や勘に依存させたままにしておくことの限界を示しています。特定の担当者が試行錯誤の末にコツをつかんだとしても、その知見が組織に共有・再現されなければ、チーム全体の底上げにはつながりません。

ここで求められるのは、AIが迷わず動ける設計図——記事の構成方針、ブランドボイス、編集フローといった「型」を先に用意し、誰が使っても一定の品質に到達できる体制をつくることです。関連して「承認サイクルが速い企業と遅い企業を分けるのは「AI統合」の深さです」でも触れたとおり、AI活用の巧拙は個々のプロンプトの上手さより、業務フローへの組み込み方に左右される面が大きいといえます。

まとめ

BtoBマーケターの生成AI活用は、導入率だけを見れば一定の水準に達しています。しかし「毎日活用」できているのは4割にとどまり、その差を生んでいるのは知識・スキルの不足という、個人依存の領域です。定型業務から戦略・企画業務へのシフトを一部の担当者の習熟に委ねるのではなく、組織として再現可能な仕組みに落とし込めるかどうかが、次の分かれ目になりそうです。

編集後記

活用格差という言葉を目にすると、つい「もっと勉強しなければ」と個人の努力に話が寄りがちですが、今回の調査結果を読みながら、それだけでは解決しない領域があるのだと改めて感じました。仕組み側から底上げする視点を、社内の編集フローを見直す際の参考にしていただければ幸いです。

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