AI検索が引用するドメイン、1位はYouTube——5大AI初集計で見えた「追加検索」の実態

生成AIが回答を組み立てる際、どのサイトを参照しているのか——この問いに対する調査が、また一段と解像度を上げました。2026年8月、gens合同会社が「AI検索 引用ドメインランキング 2026年7月号」を公開し、ChatGPT・Gemini・Perplexity・Microsoft Copilot・Google AI Overviewsという主要5AIを初めてすべて横断集計の対象にしています。約17.5万件という規模の引用データが対象で、これまで個別のAIごとに語られがちだった「AI検索でどのサイトが選ばれやすいか」という論点に、業界横断の手がかりが加わった形です。
総合1位はYouTube、2位以下は比較メディアが並ぶ
集計の結果、総合1位はYouTube(8,268件)でした。動画コンテンツが、テキスト情報と並ぶ一次情報源としてAIに広く参照されていることがうかがえます。2位以下にはit-trend.jp・ITreview・BOXILといった、いわゆる比較・レビュー系メディアが並んでいる点も注目に値します。単一の商品ページや解説記事よりも、複数の選択肢を横並びで整理したコンテンツのほうが、AIにとって「引用しやすい」情報源になっている可能性を示しています。
AIごとに異なる引用の傾向——ChatGPTは公式サイト優位
今回の調査でもう一つ興味深いのは、AIサービスごとに引用元の傾向が異なっているという点です。ChatGPTの上位引用ドメインは製品の公式サイトが占める割合が高く、比較メディアが上位に来る他のAIとは対照的な結果になっています。これは、AIごとに検索・情報収集のアルゴリズムや優先度が異なることを示しており、「AI検索対策」を単一の打ち手として捉えるのではなく、AIサービスごとの特性を踏まえて情報発信のあり方を考える必要があることを示唆しています。
新たに判明した「追加検索」の実態——約4割が製品探し・比較検討
今号でとりわけ新しいのは、AIが回答を生成する前に自らクエリを追加して検索する「追加検索」という挙動が、初めて観測データとして掲載された点です。集計によれば、この追加検索の約4割が製品探しや比較・選び方に関するものだったとされています。つまりAIは、ユーザーの質問に単純に答えるだけでなく、比較検討の材料を自ら能動的に探しにいく動きを見せているということです。
コンテンツ設計への示唆——比較・レビュー軸の情報を厚く持つ
この一連の調査結果は、コンテンツを作る側に何を示しているのでしょうか。総合ランキング上位に比較メディアが並んだことと、AIの追加検索の約4割が比較検討目的だったことを重ね合わせると、単発の解説記事だけでなく、選択肢を並べて比較する切り口の情報を自社コンテンツの中に持っておくことが、AIに参照されやすいコンテンツ設計の一つの方向性として見えてきます。&.CONTENTが掲げるINSIGHT(データに基づく戦略設計)の観点からも、こうした外部調査を定点観測し、CREATION(記事の構成設計)に反映していく姿勢が重要になりそうです。
まとめ
5大AIを横断した引用ドメイン調査により、YouTubeが総合1位となったこと、比較メディアが上位に並んだこと、AIごとに引用傾向が異なること、そして「追加検索」の約4割が製品探し・比較検討に集中していたことが明らかになりました。AI検索が回答を組み立てる裏側の挙動が少しずつ可視化されつつある中、比較・レビュー軸の情報をコンテンツにどう組み込むかが、今後のコンテンツ設計における論点の一つになりそうです。
編集後記
AIがユーザーに答える前に「追加検索」までしているという事実は、想像以上に人間の情報収集行動に近いと感じました。今後もこうした横断的な調査データには注目していきたいと思います。